夜勤回数と夜勤手当の見方 — 深夜割増との関係
入所系の介護施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、有料老人ホームなど)の求人では、夜勤の有無とその条件が収入にも生活にも大きく関わります。この記事では、求人票で夜勤について確認したいポイントを整理します。
夜勤の実態
日本医療労働組合連合会の「2024年介護施設夜勤実態調査」(労働政策研究・研修機構の紹介による)では、調査対象の施設のうち、2交替制の夜勤を行う施設が88.4%でした。そのうち84.8%で、1回の夜勤が16時間以上の長時間勤務でした。また、夜勤を1人で担当する職場が67.1%あり、グループホームや小規模多機能型居宅介護では、調査対象のすべてが1人体制だったとされています。
2交替制の夜勤は、夕方から翌朝まで続くため、1回の夜勤が2日分の勤務として扱われることもあります。月の夜勤回数によって、生活のリズムや休日の感じ方は大きく変わります。
求人票で確認したい2つの数字
- 月の夜勤回数の目安:「夜勤は月4回程度」「月4〜5回」のように書かれます。
- 夜勤手当の1回あたりの金額:「夜勤手当 6,000円/回」のように書かれます。
この2つがそろっていれば、夜勤による月の収入の目安が計算できます。たとえば1回6,000円で月4回なら、月24,000円です。
「月給」に夜勤手当が含まれているか
求人票の月給の額に、夜勤手当が含まれていることがあります。例「月給31万円(夜勤手当 月4回分を含む)」。この場合、夜勤の回数が減ると月給も下がります。「給与例」「年収例」に「夜勤月5回程度を含む」と書かれている場合も同様です。夜勤を含まない額がいくらかも確認しておくと、比較しやすくなります。
深夜割増との関係
22時から翌朝5時までの労働には、労働基準法37条4項により、通常の賃金の25%以上の深夜割増賃金を支払う必要があります。これは、事業所が独自に決める「夜勤手当」とは別の、法律で決められた割増です。
求人票には、「夜勤手当に深夜割増分を含む」と書かれている場合と、夜勤手当とは別に深夜割増が支払われる場合があります。どちらなのかによって、同じ「夜勤手当 5,000円」でも実際の収入が変わることがあります。書かれていない場合は、面接で確認するとよいでしょう。
夜勤の回数と休日の関係
2交替制の夜勤(例:16時〜翌10時)は、夜勤の日と「明け」の日がセットになります。明けの日は午前中に勤務が終わりますが、休日には数えられないのが一般的です。そのため、「月9日休み」と書かれていても、夜勤が月5回あれば、そのうち5日は明けの日となり、丸一日自由に使える日は思ったより少なく感じられることがあります。
また、夜勤明けの翌日に休日を入れるかどうか(「夜勤明け・公休」の組み方)は、シフトの組み方によって異なります。1か月のシフトの例を見せてもらえるかを聞いてみると、実際の生活のリズムを想像しやすくなります。
求人票を読むときのポイント
- 「夜勤なしの勤務も相談可」と書かれていても、基本の勤務に夜勤が含まれている場合があります。夜勤なしを希望する場合の給与も確認しておくと安心です。
- 入職後すぐに夜勤に入るのか、一定期間は日勤のみなのか、最初の数回は先輩と一緒なのかも、確認しておきたい点です。
- 夜勤専従の求人は、1回あたりの金額(日給)で書かれることが多く、月給制の求人とは比べ方が異なります。月の勤務回数の目安と、回数が少ない月の扱いも確認しておくと安心です。
- 夜勤の人数体制(1人か複数か)や、夜間に相談できる職員(看護職員のオンコールなど)がいるかは、求人票に書かれていないことが多い項目です。見学や面接の際に聞いてみるとよいでしょう。
本サイトの確認ツールでは、夜勤がある求人で、回数の目安と1回あたりの手当額が読み取れるかを表示します。
出典
- 労働政策研究・研修機構「2024年介護施設夜勤実態調査」の紹介: https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20250305b.html
- 労働基準法(e-Gov法令検索): https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049