処遇改善加算は求人票でどう書かれるか
介護職の求人票には、「処遇改善手当」「特定処遇改善手当」「処遇改善一時金」といった言葉がよく登場します。一方で、処遇改善についてまったく触れていない求人もあります。この記事では、処遇改善加算の仕組みと、求人票での書かれ方のパターンを整理します。
処遇改善加算とは
処遇改善加算は、介護職員の賃金を改善するために、介護報酬に上乗せされる加算です。これまで「介護職員処遇改善加算」「介護職員等特定処遇改善加算」「介護職員等ベースアップ等支援加算」の3つに分かれていましたが、2024年6月から「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。
加算の率はサービスの種類や区分によって異なります。たとえば最も高い区分では、訪問介護で24.5%、特別養護老人ホームで14.9%とされています。事業所は、受け取った加算を職員の賃金改善に充てる必要がありますが、どのような形で配分するかは事業所ごとに決められます。
求人票での4つの書かれ方
実際の求人票を見ると、処遇改善の書かれ方には大きく次の4つがあります。
- 毎月の手当として金額つきで書かれている:例「処遇改善加算手当 35,000円」。月給の内訳の一部として明示されています。
- 一時金として書かれている:例「処遇改善一時金 年1回(賞与とは別に支給)」。毎月の給与には含まれず、年に1〜数回まとめて支給されます。
- 「含む」とだけ書かれている:例「月給には処遇改善手当等を含む」。含まれていることは分かりますが、金額は分かりません。
- 記載がない:処遇改善について何も書かれていません。基本給に組み込まれている場合や、一時金として支給されているのに書かれていない場合もあります。
求人票を読むときのポイント
- 金額が書かれていない場合は、「毎月の手当か、一時金か、基本給に含まれているか」「おおよそいくらか」を面接で確認すると、他の求人と比べやすくなります。
- 一時金として支給される場合、月給の額だけを比べると、実際の年収の差が見えにくくなります。年収ベースで確認するとよいでしょう。
- 処遇改善の記載がないことは、支給されていないことを意味しません。処遇改善加算の記載は法令上の必須の明示事項ではないため、書き方は事業所によってさまざまです。
- ケアマネジャーや生活相談員など、職種によっては配分の対象や方法が異なる場合があります。
- 「処遇改善加算取得事業所」とだけ書かれている場合は、事業所として加算を受けていることを示すもので、個々の職員への支給額や方法までは分かりません。
面接で確認するときの聞き方の例
処遇改善の扱いは、聞き方を具体的にすると答えてもらいやすくなります。たとえば次のような聞き方があります。
- 「処遇改善加算は、毎月の手当として支給されていますか。それとも一時金ですか」
- 「一時金の場合、支給の時期と、前年度はおおよそいくらだったか教えていただけますか」
- 「入職1年目から支給の対象になりますか。試用期間中はどうなりますか」
- 「資格(介護福祉士など)や勤続年数によって、配分の額は変わりますか」
求人によっては、試用期間中は処遇改善手当を支給しないと書かれている場合もあります。入職直後の収入を知りたい場合は、試用期間中の扱いも確認しておくと安心です。
平均的な給与の参考値
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」では、処遇改善加算を取得している事業所の常勤・月給の介護職員について、平均給与額は338,200円(基本給・手当・一時金の月割りを含む)とされています。求人票の月給と比べる場合は、この数字に一時金の分が含まれている点に注意してください。
本サイトの確認ツールでは、処遇改善加算について「金額つきの記載」「言及のみ」「記載なし」のどれに当たるかを表示します。
出典
- 厚生労働省「介護職員の処遇改善」: https://www.mhlw.go.jp/shogu-kaizen/apply.html
- 社会保障審議会介護給付費分科会資料(処遇改善加算等について): https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001369273.pdf
- 厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/index.html